ランニングを終えてストレッッチをしていると、
一枚の紙が風に吹かれて目の前に飛んできた。
何かと思い、ついつい手に取り見入ってしまった。
算数のテストだった。おそらく小学校の高学年くらい。
テストの点数はというと・・・
○よりも×の数の方がかなり多く、100点満点には程遠いと思われた。
そして、名前を書くであろう上の部分が破られていた。
ここからは私の自分勝手な心の中の声。(間違っていたら本人に謝りたい)
「さては、親には見せたくないから、名前の所を破って捨てたんだな!」
「捨てるんだったらゴミ箱にしろよ!」
「でも、なんか持って帰りたくない気持ちは分かる。これは親に見せたくないよな・・・」
「この子はどんな気持ちで名前を破ったのだろうか?」
「家に持って帰らないということは、きっと悔しかったんだろうな・・・」
「点数よりも、その悔しさの方が大切だ!次のテストはリベンジしろよ!」
間違えた所の復習はどうするんだろうか?と少し心配になったが、
本人に返却しようにもできないし、
このまま風に吹かれて、またどこかにいくのもどうかと思ったので、
自宅まで持って帰り、燃えるゴミとして処理しておいた。
「おじさんがちゃんと処理しておいたから、次は堂々と持って帰れるような点数をとれよ!」
とエールを込めて。
一枚の紙に妄想し過ぎてしまったかもしれないが、
なんだか考えさせられた一枚であった。
「自分自身は悔しさをバネにして成長できているのだろうか…」
冬の川沿いは寒くて風が強い。
今回はその風が心に火を灯してくれた気がする。
迫川 史康