下にはなにもない

渋谷駅の大改修にともない変わってしまったのだが
井の頭線で渋谷に終着し、改札の方に向かうと
大人が結構目線を上げないと気づけない高さに、大きな壁画があった
(記憶が定かでないのだが、今の岡本太郎の大壁画ではなかったように思う)

7~8年ぐらい前
小学校に入ったばかりの娘と井の頭線で渋谷を訪れたときだった

娘は、自分の背丈からは相当上空にあるその画を指差し
あの画は~にある画と同じだよ(おそらく同じ画家)

と教えてくれて
「そうか、背が小さいから視線が上を向くんだね~」
と身体的要因を指摘した私に対してもう一言

「だってパパ!下にはなんにもないもん!」

と、「ありがたい」一言を放った

なぜ「ありがたい」かというと、当時の私にはこの言葉は衝撃で
「上には多くの情報があり、下には何もない」
という、考えてみたら当たり前かもしれないことを
教えてくれたからだ

試してみてほしいのだが
視線を上げるとたくさんの情報が入ってきて、なんだか気が紛れるし
自然とキョロキョロ見回すので、頭が回転する

私達が床方向に視線を落とす場合
好奇心旺盛に情報収集しているということはあまりないし
大体ふさぎ込んだり、解決できないことを自分の中で回したりしている

つい先日、忙しくて、下を向いてため息をついたとき・・・
頭の中で娘が
「パパ!下にはなにもないよ!」と叫んでくれたような気がした

そんな事あったなぁ・・・
と苦笑いして視線を上げ
気が紛れていく時間の長さよりずっと長く

娘の成長と健康に感謝をした

アーカイブ

2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
TOP