「友よ、違う。そんな音じゃない」
年末恒例、ベートーヴェンの第九には
ドイツの詩人シラーの詩が使われているのだが、
冒頭の一節は ベートーヴェンが歌詞を付け足している。
「友よ、違う。そんな音じゃない。もっと楽しい歌を、喜びに満ちた歌を歌おう」
そこから徐々に音楽が展開し、あの有名な “歓喜の合唱” へと繋がる。
「違う。そんな音じゃない」
強い否定に、理想の音を追い求めたベートーヴェンの想いが伝わってくるようだ。
喜びに満ちた歌を歌う気分にはなかなかなれなかったこの1年
違う、こんなんじゃない。
もっと楽しい、喜びに満ちた世界を。
2021年、次の世界を追い求めたい。皆で。
馬場 舞子
生誕250周年ベートーヴェン・イヤーの終わりに寄せて