東京駅南口にお気に入りの和菓子カフェがある。
天井が高くゆったりしたスペースで頂くあんこと煎茶は格別だ。
先日久しぶりにカフェを訪れ、すっかりお腹も満たされた頃
「そうだ、実家に和菓子を送ろう」と思いたった。
ショーケースを覗き、店員さんと話す。
もう夕方だったからか 発送は「明日の便」になると。
発送伝票に長崎の住所と父の名前を書く。
送り主の欄は書くのが面倒になって
“同上”
“舞子” とだけ記した。
すると店員さんが
「メッセージカード書きますか?」とカードを持って来てくれた。
「コロナでご家族に会えてないですよね。
長崎は1日多くかかるし早く送りましょう。
このサイズなら今日発送の便になんとか詰め込めるかもです」と。
いっきに涙が込み上げてきた。
自分でも気づかないくらい潜在的に寂しさが溜まっていたらしい。
あやうく涙がポロポロこぼれそうになるのを我慢しながらお礼を伝えた。
店員さんの心遣いに心揺さぶられた夕暮れ時だった。
馬場 舞子