記憶を辿る旅

先日88歳になる母が山口から訪ねてきた
おそらく、最後の上京になるであろう

すでに他界した父は、外国航路の機関長を務めていた
小学校に入学するまでは、父が乗船した船舶が全国各地の港に入港するたびに
母親に連れられ会いに行っていた

最も記憶に刻まれているのは横浜
かつて、野毛の山手には幾度となく滞在した船員宿舎があり、その面影を辿ってみた

本牧の港湾地区
海岸通りに今もある日本郵船ビル
桜木町駅から野毛山動物園に続く坂道
すでに現存しないが、おそらく船員宿舎が建っていたであろうと思われる場所

母親も様々な記憶を独り言のように呟いている
それを聞きながら、自分も幼いころの記憶を辿っていた
少しは親孝行ができただろうか…

小田 正信

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