30年来の友人と久しぶりに飲み交わした
彼と会うのはかれこれ5年ぶりくらいだろうか
きっかけは彼が千葉の台風を気にして連絡をくれたこと
そのやり取りのなか、彼が下半身に麻痺を負いリハビリ中だということを知った
衝撃的な事実
彼はいつも屈託のない笑顔で皆を明るくする
周りへの気遣いも怠らない
たまに話が突拍子もなく飛躍することもあるが、それも愛嬌
そんな奴だ
どうやら骨髄に細菌が入り、神経を侵したらしい
歩くことは何とかなってきたが、走ることはままならないという
自分に、『いいか、今から走るぞ!』と言い聞かせないと走り出せない
まるで別の自分がいるみたいだ…と
その経緯やリハビリの大変さをまた人懐っこい笑顔で話す
彼の様子は高校時代からまったく変わっていない
…だが、その奥底には想像を絶する自分のとの闘いがあったことだろう
別れ際、笑顔で固く握手を交わし終電に
普段通りの生活を普通にできるその尊さが身体に沁みいった
と同時に、彼の笑顔に救われた夜だった
小田 正信