1998年10月8日、進藤達哉が放った1,2塁間を抜くあの打球の軌跡を生涯忘れること
はないだろう。38年ぶりの優勝を決め真っ青に染まった甲子園、あの日私の身体中の
水分はすべて涙となって目から流れ落ちた。
2度目は2008年夏の高校野球、遠く青空にこだまする勝利の塾歌斉唱は感極まった。
そして人生3度目の「3塁側アルプススタンド」を訪れる機会が幸運にも
つい先日やってきた。この場所から見える野球の”角度”は格別だ。
昭和模様も刷新され近代化した甲子園だが、少しお行儀の悪いヤジとライトからの
浜風は変わらずなんとも心地よい。あの夏の花火大会みたいな雰囲気で日本のナイター
が心から愛おしくなる瞬間である。
郷愁に浸る私の前で古巣は見事勝利。約50,000人の真っ黄色の中、100人くらい
しかいない青のユニホームのファンに心からの敬意を表すと共に、なんだか改めて
これからも自分の生き様を貫き続けようと誓う夜になった。
増田元長