11月のとある日の早朝、大学野球部同期と集まって草野球をした
日の出前から10数名ほどのメンバーがグラウンドに集まり
人数的にも、身体的にも、なんとか試合になる程度だったが
考えてみたら、大学を卒業して20年近くが経ち
それぐらいの人数がグラウンドで集まるのは初めてだった
名門校の野球部出身者たちなので、社会に出ても自分に厳しく
「社会人としてのトレーニングの日々(ストレスや、飲みニケーション)」も積み重ねたのであろう
今では、ユニフォームを上手に着こなすメンバーは少ない
(腹が出ていたり、逆に激ヤセしていたり)
「おまえ!マジ着こなしひどいな!」「何だそのスイング!」
なんて、はじめはそれぞれの落ちぶれっぷりをいじりながらのプレーだったが
守備で、打席で、走塁で・・・それぞれが、キラリと光る瞬間があり
次第に
「あ、アイツそういえば、守備、良かったよな・・・」
「あいつ自分のグラブ、誰よりも磨いてたもんな・・・」「スイング速かったもんなぁ・・・」
と、当時を思い出し、口にしていた
大学の野球部で4年間を過ごすということは
思い起こせば、「部活」の領域を超えた厳しさであったが
もう、そんなこと忘れていた
しかし仲間たちのプレーをよく見ると
それぞれなりに腕を磨いた時間は
いつになっても、輝きを与えてくれていることを知った
過去に固執せず今を生きることをモットーにしている自分だが
過去の時間が、「今の自分のどれだけの財産になっているのか」
再確認することも悪くないなと
改めて思わされた、冬の早朝
江尻慎太郎