駅への道で

久しぶりの福岡への出張
早朝の空がまだ薄暗いなか、宿泊先から博多駅までの道を歩いた

新入社員だったあの日の記憶がよみがえる
前日に福岡支店で簡単な説明を受け、
配属地の大分へ人生で初めて移動する日の早朝
季節は違うが、たしかあの日の空もまだ薄暗かった

当時、福岡支店があったビルの前を通ると
記憶とあの日の気持ちがより鮮明に浮き上がる
支店すぐ横のホテルに宿泊し、
朝のかなり早い時間にチェックアウト
荷物で一杯になった大きなショルダーバックを肩に
両手には、資料で一杯になったカバンと
大分駅で迎えに来ていただく先輩がすぐに分かるようにと
目印用として渡された社名入りの紙袋

どんな街なんだろうか、先輩はどんな方々なんだろうか
見知らぬ街で仕事をうまくやっていけるだろうか、
いや、やるしかない!
ドキドキ感と不安を感じながら、そして自分を励ましながら歩いた道
社会人人生の早朝を演出してくれた道でもある

今日の研修(ライブ)も
いつか思い出していただけるような記憶に残る時間にしたい!
そんな気持ちにさせてくれた駅への道だった

迫川 史康

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