もしも、タイムマシンが発明されたらどの時代に行きたいですか。
私は平安時代に行って紫式部さんにお会いしたいです。
この方の想像力、というか妄想力は尋常じゃありません。
よくもこうもハチャメチャなストーリーを生み出したものです。
今で言う腐女子に近いお方かもしれません・・。
「源氏物語」の作中で詠まれる和歌の数は、なんと800首。
この時代の素敵なところは、恋のお相手探しがすべて和歌で行われることです。
光源氏が朧月夜に対して詠んだ歌はこれ。
あずさ弓 いるさの山の まどふかな のほ見し月の 影や見ゆると
(あの時ちらりと見た月の姿=(あなたの姿)がまた再び見られるものかと、
貴女のいる近くの山を彷徨い歩いています)
当然、応える側のセンスも求められます。朧月夜の返歌は、現代訳で言うなら
「私を心に深くかけているならば、月のない空でもお迷いになるはずありませんよね」
当時の夜は電気も街灯もない漆黒の闇。和歌だけがお互いを知る最大のツールです。
言葉の力こそすべての知性とセンスの世界。
限られた短いワードで相手の心を射抜く絶妙な「伝える力」が求められます。
これぞ、話の長いおじさん上司の方々に、是非とも身につけて頂きたいスキルです。
増田元長