残暑の怪談

実家に電話をかけた。
「え?法事で集まってると?」

受話器の向こうから、姉たちが料理しているガヤガヤ音が聞こえてくる。
(法事、私には声かからなかったぞ。おじいちゃんの命日、こんな季節だったっけなぁ。
まあ家族みんなが集まっているならいいか。)

「ところで、電話に出てくれたのは姪のかっちゃんかな?
あ、じゃなくて…、いとこのリヨちゃんかな?みんな声が似ててわからんねぇ」
勝手に喋り続ける私。

「そっちに行けなくてごめんね。リヨちゃんは帰ってこれたんだね、よかったね。
あれ?声がいつものリヨちゃんと違うぽいけど…、私は誰と話してるとかな?」

『ゲートウェイです』

「…え?」

『ゲートウェイです』

受話器から返ってきたのは、なんとも平坦で無機質な声。

「あんたっ AI だね!何なのバカにしてー!」
怒りとともにガチャリと電話を切る。
そう、私が話していた相手は家族ではなく、まさかのなりすましAI。

…という、残暑厳しい、明け方の夢でした。

この前、会社のみんなとAIの話をしていたからですね。
まさか夢にまで浸食されるとは思ってもいませんでした。

厳しかった真夏日もようやく下火になってきました。
みなさまも体調に気をつけて、どうぞ涼やかにお過ごしください。

馬場 舞子

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